歴史ある家具の修復
- ヒゲのおやじ
- 6月2日
- 読了時間: 2分
今修復中の水屋箪笥、今の家が築150年の歴史があるが もっと古くからこの家に伝わたようで傷んだ部分を補修しながら今迄伝承してきたことのようです。家の歴史を残したい。若いご夫妻の大切なお話。
痛みがかなり多くどの部分を残して復元するか
側面のベニヤを取り外して、開けてビックリ、木の枠組みが無い。
難問珍問・・・うーん・・・考え込んでしまう。
作業を進めていく中で古いものには先人の手作業の丁寧な仕事を見る事が出来る。
元のお仏壇の裏板を杉の板に張り替えた処
偶然文様が百済観音様の様なすらりとした姿に見える。

ガラスの外側には、竪繁の組子が有ったが、長年の掃除で、組子が取れて付子を残して切り取った様子。 ガラスは油煙で判別が出来ないほど汚れていたが綺麗に落ちました。 3つ重ねに戸棚を組み合わせて、水屋箪笥に組み。 何箇所もネズミ姫に齧られて、美味しいものが入っていたのだろうか。 古い部分が汚れてきたので、100年位前に工業製品のベニヤ板が出来た頃に張り付けた様な。 汚い部分を隠したと見受けられる。

下の戸棚の引き戸は鏡板が欅を用いて、1枚の欅を前挽大鋸で半分に挽き両側で1枚の杢目に見ることが出来ます。


下の戸棚の引き戸、上の引き戸が框が幅が広いのに比べて框の幅が狭く黒漆塗り。上等な作り。
欅の鏡板も前挽大鋸で2枚に挽き、2枚の欅の引き戸が出来ましたが
左側の欅の鏡板は癖が強く、大きく反り引き戸が曲がり、敷居が削れて溝がなくなる程の時間が経過していた。
その下の引き出しの左側も曲もの前板が反り、引き出しが捩れているが引き出しの役割はしている。欅をどの様にするかが問題。

見てきたことと、自分で経験した事の中で。
広葉樹の癖のある木を厚い鉄板を火で焼いて木を蒸し焼きに。焦げるほど焼いて、木の柔らかく、癖を取り。
プレスで圧力をかけて。
今なら蒸気や、高周波でと様々な手法が。
お陰さまでこの様な修復が出来ましたこと感謝です。 捨ててしまえばそれまで。しかし先人の知恵、伝承していかないと日本らしさが失ってしまいます。 これから水屋箪笥外側を着色して同じような色に仕上げて行きます。

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