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三段に重ねた水屋箪笥。

 今まで見てきた水屋箪笥は二段重ねが多い。 今工房で修復を手掛けている水屋箪笥は 二段重ねの上と脇の引き出しを追加して後から付け足している。 江戸時代に水屋箪笥として作り、明治後半に追加して付け足している様な?



この写真では綺麗に見えるが、 初めは汚れて凄い状態。 水洗いで綺麗な姿を現しました。


 一番上の左側の床板を外すと裏側の下桟が綺麗な木の姿が見えます。 裏側の板は囲炉裏の煤と、お仏壇の線香で黒く汚れたのでしょうか。

 100年以上の年月を感じさせる雰囲気です。 山桜の水屋箪笥に檜で取り合えず組み合わせた様な、何とも不思議な組み方で。 正面の見た目を揃えている。

 右端の引き出し部分が、所謂現場造作で、細い桟で打ち付けただけの簡単な仕事。  開けてびっくり玉手箱。 引き出しが入れば良いと言う事なのか。 これを今度はクロサキ工芸で組むことに。 作るより大変な作業。  正面は変える事無く、両側の側面の枠組みを作り、裏板、底板などを出来るだけ元の板を組み合わせて、現状に戻す。


水屋箪笥の一番下の下桟が無いので補足。 引き出しの上の戸棚の地板の桟も新しく補強。 所謂見え隠れの部分の部材が細く新たに補強を。


上の写真の裏側殆作り変えの状態です。

元の部材を活かして下の部材を組み直して、 また100年以上持つ様に、補強しております。 所謂伝統工芸としての手仕事の意味を、 保存とは何事かと強く感じます。



水屋箪笥の金物も、時代と共に腐食や損傷してる為 必要に応じて補修や、作り変えをしております。 和家具の金物は製造元が少ないので 必要に応じて自前で制作をしております。



銅板を切り抜き、フライス盤で加工。

 ナカニシのマイクログラインダーで研磨して黒漆で焼き付けをして、金物の保護を。

又長く使えますように。 此れから引き出し、引き戸に取り付けます。

傷んだものを補修はもとより、 復元してお客様のもとにお届けする。 この様な仕事がこの処多くなりました。


今月は茶箪笥や姿見など昭和の初めの和家具、 来月5月には長野県から、帳場箪笥が修理に来ます。 戦時中、鉄不足で軍に供出した引手の蕨手が無く、紐で引き出しを引いているが何とか出来ないか、

長野県には多くの木工家が居るが、皆手が出ないと相談を戴きました。

普段の仕事の合間に取組んでいますが、 ここ数年で特に多くなりました。



銅板で座金を作り引手の割脚の四角の穴を加工して。 マイクログラインダーで研磨。 マイクログラインダーも色々ありますが。  ナカニシ機構のマイクログラインダーは、性能が優れていて、特に振動が無い。

回転の範囲が広く。 パーツが多いので多目的に使えます。  中でもメンテナンスが、新品同様になり、何時でも軽快に使うことが出来ます。 黒漆の焼き付け。 ご要望により、艶消しも出来ます。 お陰さまで様々な和家具を始めとして、洋の東西を問わず取り組む事が出来る事に感謝です。

 
 
 

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